最近ライフプランニングという言葉を聞く機会が増えました。
老後の資金で〇〇万円必要だといったことをテレビやニュースで聞くかと思いますが、こうしたライフイベントごとに大きな資金が必要となることからライフプランニングが重要だと言われています。
若い人からすると老後の資金と言われてもピンとこないかもしれませんが、ライフイベントの中でも、例えば結婚後の子供の教育資金や住む家にかかる住宅取得資金、そして老後資金は特に大きな費用がかかるものとなりますが、これら3つはライフイベントの「3大必要資金」とも言われるものとなります。
そういったことに備えるライフプランニングが非常に重要であるということなのですが、それでは具体的にライフプランニングってどうやってするものなのか、今回はファイナンシャルプランナーの試験範囲でもあるこのライフプランニングの手法について簡単に見ていきたいと思います。
ライフプランニングの手順
ここでは、FP試験勉強の知識定着も伴った記載になっているので、ライフプランナーがお客様にライフプランの提案を行うといったことを前提に記載させていただいています。
あなた自身が自分のライフプランニングをする際は、「お客様」ではなく自分自身のこととしてお考え下さい。
ライフプランニングの手順は基本的には以下のように進めていきます。
- お客様の希望・悩み・現状を詳細にヒアリング
- ヒアリングした内容を基に分析を行う
- 分析で明らかになったボトルネックを解消するためのプランを立案し提案する
- 提案したプランの実行支援を行う
ライフプランニングと書くと大げさな感じがしますが、要は営業のお仕事などでお客様の課題をヒアリングして分析し、提案書を作るのと同じような流れとなります。
そして、これらを行う際に必要となるのが、具体的なライフイベントの「計画表」、お金がどのぐらい必要になるかを把握するために必要な「キャッシュフロー表」、そして資産と負債のバランスを把握するために必要な「バランスシート」を用いてライフプランニングを行っていきます。
なお、以下サイトよりこれら3つの書類のひな形を見ることが可能ですので参考にしてみてください。
参考:日本FP協会 便利ツールで家計をチェック
ライフイベント表を用いる
ライフイベント表というのは文字通り将来のライフイベントを時系列にしたものとなります。
何年何月に何歳になっていて、どういったイベントがあり、その際に必要となる資金はどのぐらいかを表にしてまとめたものとなります。
キャッシュフロー表を用いる
キャッシュフロー表も会社等で勤務されている方なら馴染みのある言葉かと思いますが、お金の出入り、つまり収支状況にもとづいて、貯蓄の予想をまとめる表となります。
あなたのライフプランにおいてどのぐらいお金が足りないのか、無理があるのか等が一目でわかります。
バランスシートを用いる
バランスシートとは資産と負債のバランスをパッと見たときにわかるような表にすることです。
簿記の勉強をしたことのある方なら馴染みがあるでしょう。
左側に資産、右側に負債と純資産(資産から負債を引いた金額)を記入します。
資産に該当するものは、例えば、現金、預金、株式、家、車などが該当します。
負債に該当するものは、例えば、住宅ローンなどのローン関係が主なものとなるでしょう。
そして、この資産と負債ともに時価を記入するようにしましょう。
資金計画とライフプランニング
よく、〇年後に〇万円貯めるために、毎年〇万円積み立てて、、、といった計算をすることがあろうかと思いますが、そうしたライフプランに合わせた資金計画を計算する際に利用する係数を紹介します。
毎年いくら積み立てればいいのか等計算するのは大変ですが、係数を用いることで計算は簡単です。
FP試験などでも出題されるものなので、覚えておいて損は無いでしょう。
※今の時代、実際に計算する際はネットで数字入れたら簡単に出ますのでFP試験受ける人だけ知っておけばいいのかなというところです。
終価係数
終価係数とは現在の金額を複利で運用した場合の、行って期間後の金額を求める場合に用いる係数です。
例えば、100万円を年利5%で運用した場合、5年後の金額はいくらになるかな?といった時に使用する係数です。
「終わりの価格」なので最終的にいくらになっているかといった時に使われるのが「終価係数」となります。
現価係数
一定期間経過後に一定の金額を用意するためには元本がいくら必要かを求めるのに用いる係数です。
例えば、年利5%で5年後に100万円用意するには元本はいくらあればいいのかな?といった時に用いる係数です。
年金終価係数
毎年一定金額を積み立てた場合の一定期間後の元利合計を求めるために用いる係数です。
例えば、年利5%で毎年50万円を積み立てた場合の5年後の金額はどのくらいか?といったことを求めるのに使用する係数です。
終価の考え方と年金(積み立て)の考え方の時に使用する係数です。
年金現価係数
将来の一定期間において一定の金額を受け取るために必要な元本を計算する際に利用する係数です。
例えば、5年間において毎年50万円ずつ受け取りたい場合において、年利が5%だとすると、必要な元本はいくらになるか?といったことを計算する際に利用します。
減債基金係数
聞きなれない言葉ですが、一定期間後に一定金額を用意するために、毎年いくら積み立てる必要があるのかを知る時に使う係数です。
例えば、年利5%で5年後に100万円を用意するのであれば、毎年いくら積みたてる必要があるか?を計算する際に用いる係数です。
資本回収係数
現在ある一定の金額を一定の期間で取り崩していく際に、毎年どのくらいの金額を受取ことにすればよいかを計算するための係数です。
例えば、100万円を年利5%で運用しており、それを5年間で取り崩した場合の毎年の受け取り金額はどのくらいになるか?を計算するといった形の係数です。
ライフプランニングの手法と資金計画のまとめ
ライフプランニングはお客様との対話が重要なので、知識を覚えることも重要ですがコミュニケーション能力もしっかり磨いておきましょう。
なお、FP試験に受かるためには〇〇係数が何だったのかを覚える必要がありますが、言葉の意味から推察することができますし、係数そのものは問題に与えられるのでそう難しい物でもありません。